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1988年式 ST165 セリカ① – GR GARAGE BLOG

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1988年式 ST165 セリカ①

Dec 3, 2019

GR Garage富山新庄レストアです。

 

お客様から故障診断のご依頼で昭和63年式 TOYOTA セリカ(ST165)が入庫致しました。

ご用命内容はエンストの修理依頼です!

 

問診したところ、

1、エンジンはスムーズに始動するが、アイドリング状態で30~40分後にはエンストしてしまう。

2、エンスト直後の再始動は不能

3、エンストから長い時間が経てば再始動可能だが、またしばらくするとエンストしてしまう。

4、時間帯、天候、気温は関係ない。

5、長期間寝かせてあった車両であり、燃料の劣化が疑われたのでガソリンは入れ替えてある。

との内容でした。

 

先ずは現象確認!

・積載車での搬入であったので、荷台から降ろす際のエンジン始動は良好!

・その後駐車場に停めアイドリング状態で放置。………

・30分後に確認しに行くと、ご用命内容の通り、エンジンが止まっていました。

(現象が出た時に近くに居たスタッフからはガス欠症状のような止まり方だった。との証言)

・直後の再始動は不能

・1時間以上経った後に再度エンジンを掛けてみると普通に始動しましたが、やはりしばらくするとエンスト!

 

お客様のご用命通りの現象が確認できました。

現象が確認出来れば後は手順に沿って診断していくのみ

 

基本点検(エンジンオイルやバッテリーなど)、ダイアグノーシスはすべて正常!

良い燃焼の3要素のうち、良い圧縮OK 良い火花OK 良い混合気は….?

基本点検の結果と、現象確認時の症状からして、疑わしいのは燃料系等です。

燃料は入っているのにガス欠症状…ということは燃料ポンプか?

一番疑わしい燃料ポンプの作動を確認する為に、サービスコネクターを使って燃料ポンプの強制駆動を試みます。

するとポンプの作動音はしているのに燃圧が来ていない….なぜ?

 

トヨタ生産方式(TPS)の問題解決の8ステップより

「ステップ4 真因の追求」

なぜ?なぜ?なぜ?を繰り返して本当の要因(真因)を突き止めます。

 

私の推理によりますと…(私の大好きな言葉 「修理は推理」)

・燃料が有り、ポンプが回っているのに燃料が来ない

・長時間放置すれば燃料が供給される

・車の年式と、しばらく動いていなかったことから燃料タンクの中が錆びている可能性が高い。

・燃料タンクの構造は、ポンプの周りだけ小さい部屋(サブタンク)になっている

※サブタンクの役割は、車が傾いた時、加減速時や旋回時など、燃料タンク内で燃料が偏ることでポンプが燃料を吸えなくなることを防ぐため、ポンプの周りには常に燃料が有るようにこのような構造になっています。

・その部屋への通路が錆で詰まれば、タンク内に燃料は有っても、サブタンクの燃料を吸いきってしまった時点でガス欠になる。

・時間が経てば少しずつ燃料がサブタンクに流れて燃料が吸えるようになる。

 

真因→「燃料タンクからサブタンクへの通路の詰まり!」との仮説をたてました。

 

仮説に基づき燃料タンクの中を確認したいのですが、燃料タンクのサービスホールは燃料計のセンダゲージ用しかないので、先ずはそこから点検してみます。

すると…予想通り、センダゲージをはじめ、燃料タンク内が錆で凄いことになっています。

そしてやはり予想通り、ポンプのある部屋の油面が周りの燃料の油面の高さよりも明らかに低いのがかすかに見えます。(写真では分かりにくいですが💦)

この結果燃料タンクを車両から降ろし、タンク内洗浄と錆落とし、サブタンクへの通路の確保の作業を決断しました。

燃料タンクを降ろすとご覧のようにタンク内の腐食がかなり進んだ状態であり、サビがサブタンクへの通路を塞いでいる可能性が非常に高いです!


燃料ポンプもご覧の通り💦

修理の様子は次回「1988年式 ST165 セリカ②」へ続く!

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